これまでオーガニックについて学んできました。食品やコスメ、コットンなど、生活に関わる部分をオーガニックに置き換えて生活することもできるようになってきたと思います。そのような中でも体調不良となった際には、まだ薬に頼った治療を続けるのでしょうか。薬も直接体に取り込むものなので、そこもオーガニックの考えをいれてしかるべきものだと思います。そこで、食生活を整えることで、健康身体へと導くことができることは前述しましたが、もう一つ、ホメオパシーという療法を紹介します。
ホメオパシーとは
ホメオパシーは同種療法と呼ばれる代替医療や自然療法のひとつです。ホメオパシーの基本的な考えとして、「健康な人が摂るとある症状を引き起こすものは、それと似た症状を持つ人に与えると、その症状が消える」という「同種の法則」をその原理としています。つまりは、デトックス効果のことです。熱や下痢が出るときは、しっかりと熱と下痢を出し切ってやり、身体の自己治癒力を高めていきます。
西洋医学では発症した内容に沿った治療をそのまま行うため、発症によって引き起こされた自己治癒力を高めようとする身体の反応も、解熱剤や下痢止めの薬を用いてまとめて治療する可能性があります。
ホメオパシーではこの自己治癒力を優先させる治療法になりますので、西洋医学とは違った治療法をとります。時にはそのような症状を抑える処置も必要ですが、症状を抑えてばかりいると、身体に老廃物がたまってしまいますので、しっかりとデトックスしてやることがポイントとなります。
ホメオパシーでは、植物や鉱物、動物などの物質・素材がなくなるまで、薄めて叩く「希釈・振盪」のプロセスを経て活性化された「レメディ」と呼ばれる無毒・無成分のショ糖を服用して肉体や精神を治癒しますので、副作用などの心配が不要だと言われています。そして、患者を診察し、症状に合わせてレメディと呼ばれるショ糖を処方する人をホメオパスと呼びます。
日本ではまだ馴染みが薄いですが、ヨーロッパやインドでは広く愛用されています。イギリスでは健康保険が適用される立派な医療として確立されており、ホメオパスになるには国家資格の取得が必要です。
ホメオパシーの歴史
ホメオパシーの起りは、19世紀初めごろにドイツ人の医師、サミュエル・ハーネマンによって始められたと言われる、自己治癒力を利用する同種療法です。同種療法は、古代ギリシャのヒポクラテスの時代までさかのぼる長い歴史を持ちます。ハーネマンはマラリヤの治療に、マラリヤに似た症状を引き起こすキナという植物の樹皮が有効であることを突き止めました。それがきっかけとなり、同種療法に傾倒し、ホメオパシー医学を確立しました。
家畜治療にも用いられるホメオパシー
家畜の病気予防の為、エサに抗生物質が多量に混ぜられていることは周知の事実であり、食肉の安全性が大きな問題となっていますが、実はイギリスのオーガニックマーケットでは「この牛はホメオパシーで治療されました」と注意書きがされた牛肉が売られていることがあります。人間だけでなく、病気にかかった家畜をホメオパシーで治療することがあるのです。
