私たちの健康は、身近な”食”と密接に関わっています。
毎日食べるものが私たちの体を作っているのです。
そして今、食にまつわる様々な問題が浮上しています。
Lesson1や2で様々な農業の現状を学んだあなたの次のステップは、自分の意志で口に入れるものを選択するということです。
このLesson3では、食生活と病気の関係や、遺伝子組み換え・添加物について学び、それらの観点から何を選び取るべきかを学んでいきます。
食生活と健康
健康な暮らしの方法として、オーガニック食品を積極的に摂取することが、医師たちの間でも評判になっています。なんでも薬を投与すれば問題ない、という考えは今では古く、食生活の改善により、病気体質から健康体質へと転換させることが健康な暮らしの大きな手段となってきています。
癌とオーガニック食品
厚生労働省調べでは、平成27年の日本人の死因別死亡数の割合では、1位に悪性新生物、つまり癌が29.8%、次いで2位には心疾患が15.2%、3位は肺炎が9.4%です。現在では、3人に1人は癌でなくなるほど、癌は身近な病気となっています。
そんな癌に対して、食生活の観点から治療を行うことで知られている赤坂レディースクリニックの故阿部医師は、患者だけでなく人々にできるだけオーガニック食品を摂ることを推奨していました。食べることを「増やすもの」「減らすもの」「全く摂らないもの」「現状維持」の4つの分類を用いて、食生活改善の治療提案をしていました。「良い食べ物と心の健康が伴えば、癌や心疾患、脳血管疾患も減少させることができる」というのが彼の持論であり、それを実践していました。
アトピーとオーガニック食品
また、食品とかかわりの深い疾患としては、アレルギーがあげられます。その中でも、身近に聞く病気としてはアトピー性皮膚炎があります。厚生労働省が3年に一度調査している患者数調査では、平成26年には過去最多の45.6万人の患者数となり、平成14年ころからずっと増加傾向にあります。かつては子供の病気であり、大人になれば自然と治癒すると考えられていましたが、現在では20-40代での患者数も多く、大人になっても付き合っていかないといけない病気となっているのです。
そのようなアトピー性皮膚炎に対しても食生活の改善が有効であると、前出の故阿部医師は提唱している。ステロイド剤を塗布せずとも、食生活の改善により、病気体質から健康体質への徐々に変化していくという考え方です。
アトピー性皮膚炎は、皮膚だけの問題ではなく、内臓や毛細血管にまでその症状は及んでいます。これらは、大気汚染や添加物の増加などで、身体が悲鳴をあげていることを意味しているといわれており、オーガニック食品をできるだけ取り入れることで改善の余地があるのではないかと考えられています。
健康とオーガニック食品
健康という観点から、食品を下記の4つに分類するという考え方があります。
「招病食品」
読んで字のごとく、病気を招くことになる食品。添加物や加工物が多く含まれており、身体を病気体質に変えてしまい、癌や糖尿などを招く原因となる食品。この招病食品を摂取し続け病気体質になると、常にこの招病食品を欲することになるため、強い意志をもって習慣を断ち切ることで、健康体質へともっていかないといけません。
「至病食品」
身体・健康の根幹部分である臓器を疲弊させ、確実に病気に至らしめる食品のことを指します。
たとえば多量の白砂糖摂取などはこれにあたります。
「治病食品」
病気体質や病気に対して有効・治療効果の見込める食品のことを指します。薬に代わる代替医療としても注目を集める食品です。喘息にはレンコンなど、それぞれの食品特性を活かした食生活治療に活用できるといわれています。
「健育食品」
臓器を強く、そして健康に育て、健康体質を維持することのできる食品を指します。これまで学んできたオーガニック食品はこれに相当します。
日々の生活の中でできるだけ多くの健育食品、つまりはオーガニック食品を取り入れ、日常から臓器を強く健康に育て上げることで健康状態を維持することができます。賢い消費者として、積極的に健育食品を取り入れていくことで、心身ともに充実した生活を送ることにつなげましょう。

