ここまでは、特にオーガニックの「食」を中心に学習を進めてきました。やはり食の注目度が圧倒的に高い現在ですが、次いで注目を集めているのが、女性なら多くの方が気になる美容分野、コスメ分野についてのオーガニック製品です。
口に入れるものと同じくらい、肌にふれるものも大切だと言われています。それはなぜでしょうか。食以上のに正しい知識がないと選択ができないほど、情報が溢れているのはどうしてでしょうか。オーガニックコンサルタントとして、しっかり学んでいきましょう。
経皮毒
経皮毒とは、皮膚から吸収した化学物質が健康に及ぼす悪影響のことです。口に入れるものには注意を払っても肌に触れるものには無頓着な人が多いですが、皮膚からも化学物質は吸収されます。
得に入浴中は肌の温度が上昇するので、さらに吸収しやすい状況を作ります。実は風呂場には多くの有害物質が溢れています。皮膚が薄い頭部と瞼は有害物質を吸収しやすい部分なので、美容、ヘアケアグッズの選び方には注意が必要です。
排毒できない経皮毒
経皮毒の怖さは、有害物質の排泄率が大変低い点にあります。一度皮膚から取り込んでしまうと、有害なものでも排泄しにくいのです。そのため、口に入れるものよりも肌に触れるものの方が、注意が必要であると言えます。
角質層の下には、肝臓と似た働きをする可能性があると言われる「表皮」が存在します。しかし表皮の排毒能力は肝臓の1%くらいなので、皮膚から入った毒「経皮毒」は排出されにくいという怖さがあります。皮膚から吸収された化学物質は皮下組織に長期間とどまり、時間をかけてじっくりと体内に取り込まれていきます。口から入れた物質は10日後には排泄されますが、経皮吸収では約10%しか排泄できません。
自分以外への影響
台所用や洗濯用の合成洗剤には有害化学物質が含まれており、男性より使う頻度が高い女性の体内には多くの物質が残留している可能性があります。
この状態で妊娠出産をすると、生まれてくる子供に母親が持つ有害化学物質を受け継いでしまう可能性があります。これを継世代毒性と言います。合成洗剤の危険性を把握し、すぐに使用を止めることをお勧めします。
最近子供にアレルギーが増えていますが、その原因の1つとして化学物質の影響が指摘されています。毎日使う洗剤が有害な成分を含んでいないかを確認し、安全なものに変えることもその影響を減らすひとつの手段です。
まぶたと生殖器は要注意
皮膚の角質層が薄いまぶたと生殖器周辺は、化学物質の吸収率が高い箇所です。経皮毒の関連キーワードとして近年話題になっている「布ナプキン」ですが、これは化学物質が多く使用さる生理用品とPMSの関係が明らかになってきたことによります。
そのほかにも、口や肛門も角質層がないので吸収が早い部分です。痛み止めの座薬を肛門に入れるのは、吸収の速さを利用しているのです。
また、角質層が未熟な新生児や乳幼児の肌は、皮膚のバリア機能が不完全で、簡単に化学物質を取り入れてしまいます。体が小さい子供達は排毒システムも未熟なので、化学物質の影響がすぐに表れてきます。
驚くべきことですが、ベビー用品にも有害化学物質を使用しているものがあります。得に生殖器の周りに使用するおしりふきは、防腐剤としてパラベンという危険な物質が使用されている物が多いので注意してください。また、プロピレングリコール(略してPGと記載されていることもあります)という過敏症状や染色体異常を引き起こす可能性が懸念されている化学物質を保湿効果の為に使っていることがあり、メーカーの倫理観が問われています。
成分表示をしっかりと確認して購入しましょう。

