環境汚染の中には、河川の汚染も問題となっています。汚染と聞くと、工場排水や農薬の混じった農業廃水などをイメージしがちですが、私達が日々使用する生活用水からの汚染もその要因の1つです。
河川環境を破壊する合成界面活性剤が、毎日使う合成洗剤やシャンプーに使用されており、水に生きる生物を苦しめている現実があります。環境ホルモンの疑いがある防腐剤は水から浄化力を奪い、そして、大地にも悪影響を与えています。そして何より直接被害を受けているのは、それらの化学物質が含まれている製品を使用する人の健康なのです。
洗濯洗剤、シャンプー、歯磨き粉など、直接私たちの肌の弱い部分に触れる製品の中に、そのような化学物質が含まれていることは、あまり意識せずに生活しているかと思います。ですが、食事と同様に、体内に取り込まれる可能性が高く、これらの影響をしっかりと理解することが、オーガニックコンサルタントとしても重要な意味を持ちます。
危険な日用品
歯磨き粉
歯磨き粉には有害化学物質が多く含まれています。口の中の粘膜から毎日有害物質を取り込むことで、味を感じる味蕾(みらい)に影響が出て味覚が悪くなることがあります。
濃い味を好む若者が増えている原因の一つが、歯磨き粉である可能性が指摘されています。
お風呂用品
シャンプーやリンスに使用されている有害物質は胎児への影響も懸念されています。女性はこれらの有害物質が胎盤に蓄積しやすいと言われており、出産の際に胎盤からリンスやシャンプーの香料の香りがするようになったという話もあるほどです。着色料として使われるタール系色素は発ガン性を高めます。入浴剤には蛍光剤や殺菌剤が多く含まれています。
本来は一日の疲れを癒すリラックスする場所である風呂場の製品は、無意識に選ぶと有害物質の宝庫となってしまう可能性があるのです。石鹸やシャンプー、リンス、入浴剤など有害物質を沢山含む製品が溢れているので、しっかりと安心できるものを選ぶことが必要となります。
合成洗剤の有害性
合成界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」
台所用洗剤や洗濯洗剤の泡立ちの為に添加される合成界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」には注意が必要です。「ラウリル硫酸ナトリウム」は角質細胞の細胞膜を破壊し、それによりあらゆる化学物質が体内に取り込まれやすくなります。
そのため洗剤で食器を洗った後、市販のクリームでケアするのは要注意です。角質層が破壊され、化学物質が入りやすい状態の手に化学物質入りのクリームを塗ることで、さらに化学物質を体内に取り込んでいる可能性があります。
植物性洗剤も潜む危険
「ヤシの実から作った天然洗剤」というキャッチコピーは自然で体に害が無さそうなイメージを与えますが、実は安全とは言い切れないものもあります。
合成洗剤の一般的な原料である石油の代わりにヤシ油を使っただけで、製造の過程で多くの化学薬品が使われている製品もあります。「植物性」「天然」という言葉で安易に判断しないようにしましょう。表示をよく見て合成洗剤か石鹸かを見分けてください。ちなみに、複合石けんと書いてあるものは、合成洗剤と石鹸が混ざっているものです。
合成洗剤よりも安全性が高いと言われている石けんは、成分が「脂肪酸ナトリウム」「脂肪酸カリウム」の純石けん分のみのものは特に安全性が高いものです。粉石けんを水に溶けやすくし、洗浄力を高める為に炭酸塩などの助剤などが添加されているものは少し安全性が落ちると言えます。
おすすめの洗濯石けん
自然丸の粉石けん 3kg 896円
合成界面活性剤や蛍光増白剤や酸化防止剤などを含まず、必要な原料のみで作られる粉石けんで、石鹸洗濯のナチュラルな仕上がりを楽しめます。どんな地域の水質にも溶けやすいと扱いやすさが評判の石けんで、商品名で検索すると様々な通販サイトでも購入しやすく初心者にお勧めです。
お湯が入ったバケツに必要量を入れ、混ぜて溶かしてから洗濯機に入れると、石鹸カスが出ず使いやすくなります。

