Lesson4-3肌トラブルの原因ともなる化粧品

美しくなるために、高いお金を払って買った化粧品が、しみやアレルギーの原因になることがあるという事実は多くの方に衝撃を与えるでしょう。しかし魅力的な広告文にも素敵なパッケージにもそのような事は一言も書かれていません。美しいイメージを作り上げることで私達の購買意欲を刺激する美容製品は特に、選択する私達に正しい知識が必要となります。

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安価な石油原料の使用が要因の1つ

化粧品が肌トラブルの原因となる要因の一つに、化粧品が安い石油を原料とする合成化学物質で作られるようになったことが挙げられます。

石油は植物オイルの5分の1の価格なので、利益を考えると使用するメリットがあります。そして、石油原料の化学物質は腐らないことも製造会社や販売店には好都合です。

化学物質は保存期間が長く、安定した化粧品の製造は実現しますが、使用者の肌トラブルに対して配慮されているとは言えません。

問題のある商品がなくならない訳

美白やアンチエイジング(老化防止)効果のある化粧品に関心が集まり、新しい化学成分を使った新製品が続々と発売されています。石油を原料とした化粧品が原因で顔が黒ずむ「リール黒皮病」という症状が問題となり、いくつかのメーカーが訴えられた事件も存在し、問題視されている化粧品や成分があるにも関わらず、その成分の使用が全面的に禁止されることも、商品がなくなる事も滅多にありません。これはなぜなのでしょうか。 

商品開発に費やしたコストを無駄にできないという実情

現在多くしようされている石油原料は、使用すると化粧崩れしにくいという利点があります。しかし一方で、肌は毛穴をふさがれ呼吸が出来ない状態になり、ニキビは角栓の原因となります。また色素沈着やシミやアレルギーの原因にもなっていますが、メーカーは膨大な時間とコストをかけて開発した化粧品の商品レシピを破棄することが出来ません。

このようなサンクコストを無視できないメーカーの体質では、たとえ使用している成分に問題が見つかったとしても、短期的に致命的な悪影響が出ない限り、劇的な改善や商品をなくす決断が出来ない最も大きな原因です。

動物実験をしているから安心?

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動物実験で安全が証明された成分を使用しているとメーカーは主張しますが、人と動物の肌は根本的に違うという事実はやはり無視できないものでしょう。そしてその実験の期間は長くても2か月なので、長期間使い続けた時の結果は予想不可能というのが現実です。

また、生き物である動物を使用して実験をすること自体が今問題視されています。そのため、オーガニックコスメなどのメーカーでは、動物実験を行っていないという事を1つの信念としているメーカーもあります。

1番の原因は私達消費者にある

危ない化粧品が消えない原因は使用者がいるからです。メーカーはそんな消費者をターゲットに、パッケージやCMのイメージ戦略だけで安全性が疑わしい化粧品も売ろうと企みます。

化粧品に含まれる全成分が表示される時代になりましたが、消費者に正しい知識を関心をもってそれらの情報を利用し、判断しなければなんの意味もありません。オーガニックコンサルタントのあなたの賢い商品選択が、安全な化粧品を増やすことにつながるのです。

安心できるコスメの選び方

商品のキャッチコピーやパッケージの雰囲気、また華やかな広告や美しいモデルのイメージでコスメを選ぶことは、少し軽率です。沢山の人に使ってもらい売り上げを上げることがメーカーや企業の大きな目的である以上、広告では良い事しか言わないのが現実です

まずは成分表示ラベルを見ることを心がけてください。ラベルには配分された量が多い順番で、入っている成分が全て記載されています。化粧品原料として許可されている化学薬品は3000種類もありますが、全ての成分について理解する必要はありませんので、重要なものや自分が反応してします成分は覚えておくとよいでしょう。

「肌にやさしい」「ナチュラル」「自然派」とパッケージに大々的に書かれていても、影響が心配される成分が入っている商品がもあります。また、敏感肌用、あかちゃん用と書かれていてもラベルチェックは必須です。大切なのでもう一度言いますが、広告やパッケージでは良い事しか言いません。あとの判断は私達に任せられています。

全成分公開義務の落とし穴

旧厚生省は、危険な化粧品原料102種類を表示指定成分として特定し、化粧品ラベルへの表示を義務付けていました。アレルギーを引き起こす頻度が高い、合成界面活性剤、防腐剤、合成色素がそれらの主な成分です。

しかし、2001年4月に薬事法が改正され、化粧品の全成分を公開することが義務付けられました。これにより全成分表示が義務づけられた為、安全な成分と危険な成分が全部一緒に並んで表記され、以前から表示義務があった絶対に避けるべき危険な成分が安全な成分に紛れ込んで見えづらくなってしまったのです

食品添加物をチェックするように、化粧品を買う際もラベル表示を見て成分を確認することが大切です。ラベル表示にズラリと表記された内容を理解する為に、ある程度の知識をつけましょう。