Lesson4-6 オーガニックコットン

天然素材のコットンなら安心?

天然繊維は化学繊維よりも体にやさしいですが、天然繊維なら何でも良いわけではありません。コットン製品には、外国で農薬や化学肥料を使用して栽培された綿花が使用されているものがほとんどです。

機械で綿花を収穫すると葉や茎を全て絡み取るので、枯葉剤を使用して綿花を完全に枯らしてしまいます。綿は11月には自然に枯れます。しかしファッション業界の商業サイクルに合わせる為には8月9月に刈り取る必要があり、枯葉剤を使用しているのです。

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衣類に使われる化学物質

衣類の製造には、多くの化学物質が使われています。

合成潤滑剤や合成ワックスは布を織りやすくします。漂白剤、化学染料や蛍光剤、漂白や染色の前処理で使うアルカリ剤、糸の保護に合成糊料、それを洗い流す合成洗剤、シリコンオイルなどの柔軟剤・・・このように多くの化学薬剤が使われています。形状記憶シャツにはホルマリンが使われているものもあります。

このような化学物質が皮膚から吸収され、かゆみや様々な病気の原因となります。衣類に含まれる化学物質がアトピー性皮膚炎の要因の一つとも言われています。

綿農家のこと

枯葉剤は環境を汚染し、栽培者自身や近所の住民の健康被害を引き起こします。特に子供への影響は深刻で、綿農家の人たちの多くが農薬で健康を害しています。しかし、農薬を使わなければ生産力が落ち、生活に影響するので使用を止められない現実があります。

農薬を使わないオーガニックコットンの価格高い理由は、人の手で行う作業の多さにあります。人間の都合で枯葉剤を使用して機械で収穫する従来のコットンとは違い、オーガニック栽培では全て手作業で綿花は収穫されるのです。

安く売られている製品の裏側では何かが犠牲になっていることを注視しましょう。

オーガニックコットンの栽培方法と選ぶメリット

3年以上農薬や化学肥料を使わないで栽培された綿がオーガニックコットンです。自然に枯れるのを待ち、手摘みで収穫され、時間と手間をかけて丁寧に作られます。

無農薬で育てられ、化学物質が使用されていないオーガニックコットンは柔らかく肌にやさしく、洗濯するごとに柔らかくなるのも特徴です。丁寧に作られたものは長く使えるため、長い目で見ると買い替える頻度が少なく経済的だとも言えます。

多少高くても、自分と環境に良いものを長く、大切に使うことをオーガニックライフでは重要視します。オーガニックコットンを使う人が増えることが、綿農家の人たちの労働環境を改善することにつながっていくのです。効率と利益よりも、着る人と環境の配慮したモノづくりをする農家の人々をサポートできるのは、私達消費者だということを常に意識すると良いかもしれません。

子供の肌着について

子供の皮膚はデリケートです。得に生まれたての新生児の肌着は栽培、そして加工の段階でも化学処理されないオーガニックコットンのものを選ぶべきです。体温が高く、よく動く赤ちゃんはたくさん汗をかくため、汗で衣類に含まれる化学物質が溶け出す可能性が高いのです。

年々増え続けているアトピー性皮膚炎の子供にも安心して使えるのがオーガニックコットンです。

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選び方

オーガニックコットンは、無漂白の生成りのコットンと見分けが付きにくいことから類似商品が存在します。オーガニックコットンと表示されていても、一般綿が混ぜられているケースがあります。

一般綿が混ざっていても、その混率を分析することはできません。そこで本物のオーガニック製品を見分ける手がかりとなるのが、オーガニックの認証マークです。オーガニックコットンは綿花栽培段階でのオーガニックファーミング認証と、製品の製造工程におけるテキスタイル認証の2つの過程に分けられ、認証が行われます。

綿花栽培段階の認証基準は、ヨーロッパ基準である「ECC 規制2092/91」と米国農務省の基準である「USDA/NOP(米国農務省/自然有機プログラム)」が国際基準とされており、3年以上農薬及び化学肥料を使用していない農地で有機栽培された綿花であることが重要です。
製品の製造工程の認証は、認証機関によって異なりますが、一般的には書類審査で行われます。

デリケートな新生児のためにも、しっかりと認証の受けたオーガニックコットンが使用されている衣類を身に着けさせることが、子供を守ることにつながると言えます。