表示ラベルの見方
全成分が表示されているラベルを見ても、さっぱり訳がわからないのが普通です。しかし、安全な成分と危険な成分を簡単に見極めるコツがあります。
素肌にやさしい化粧品とは、自然界に存在している成分で作られたものです。ラベンダー、ホホバオイルなど、名前を見てそれが何であるかがすぐに分かるものは安心です。
逆に危険な成分の多くは、自然界に存在しないもので化学的な難しい名前が付けられています。例えば、
- ○○酸グルタミン酸Na
- ○○パラベン
- ラウレス○○
- 安息香酸Na
などは危険性が問題視されている成分の代表格ともいわれています。このように長い名前や難しい名称の成分は要注意です。
避けたほうがよい成分を確認しよう!
①鉱物油
大量生産を可能にする石油から作られる安価なオイルは、大部分の化粧品に使われています。鉱物油は皮膚呼吸を妨げ、肌の老化を招き、しわの原因にもなります。
鉱物油にはフェノールという毒性物質が入っており、化粧品に使用する為には除去しなければいけません。フェノールの除去には大量の硫酸塩を使いますが、化粧品への残留が懸念されています。代表的な石油成分は「流動パラフィン」「ベンジルアルコール」「エステル」があります。
石油化合物の名前を覚えるのは大変ですので、全てを把握する必要はありません。「ヒマワリ油」「ホホバオイル」など植物性のものを選ぶことで、自然と石油化合物をさけることができます。また「無鉱物油」という表示が増えてきましたが、石油成分を使っていないという目印になる表示ですので選択する際の基準となります。
合成香料も、おもに鉱物油から作られ、アレルギーを引き起こす原因になります。感覚や神経に直接作用するものなので、避けるたほうがよいでしょう。
合成界面活性剤
水分と油分は自然には混ざりません。シャンプーやクリームを作るためには、界面活性剤を使用して水分と油分を混ぜ合わせます。意外かもしれませんが、せっけんも天然の界面活性剤です。せっけんは動物や植物の油などの天然成分から作るので安全なものですが、化粧品に使用するには手間とコストがかかり過ぎます。そこで同じ役割をする合成界面活性剤が多用されるのです。
合成界面活性剤は石油から人為的に作られた成分で、自然の力では分解できません。家庭用洗剤に入っている合成界面活性剤は水質汚染の大きなの原因のひとつなのです。
合成界面活性剤の恐ろしさは、肌の奥まで浸透し、じわじわと皮膚を侵していくことです。本来肌にはバリア機能があり、外敵から防御する力を持っていますが、合成界面活性剤はこのバリアを通過して肌の奥へと進み、体内に蓄積されます。経皮毒のところでも学習しましたが、肌から体内に入った異物は解毒されにくいという性質があるので注意が必要です。
合成界面活性剤には肌に必要な脂分まで取ってしまう性質があります。必要な脂分がなくなると肌のバリア機能が衰えてしまうため、使っている化粧品が肌のトラブルを引き起こしている可能性もあるのです。合成界面活性剤が入っている化粧品をつけると、一時的に膜を作って肌がツルツルする効果が得られますが、本質的な効果ではありません。
最近は、大豆レシチンを乳化剤として使う化粧品も増えています。せっけんやグリセリンなど天然の界面活性剤も安心です。
防腐剤
防腐や殺菌の目的で使用される化学成分は、肌の老化促進や、アレルギー性湿疹をおこす可能性があります。防腐剤として使用されるパラベン、○○パラベン、安息香酸Na、フェノキシエタノールなどは、毒性は弱いと多用されてきた成分ですが、環境ホルモンとなる可能性が問われています。
防腐剤はナチュラル志向の化粧品にも多く取り入れられていますので気を付けてください。天然成分は腐りやすいので、品質保持の為には防腐剤がたくさん入れられる傾向があり、植物成分を使っていても安全性には疑問が残ります。
防腐の役割をする自然の成分は存在します。選ぶならグレープフルーツ抽出物や、天然ビタミンE、ヒノキチオールなどで保存性を高めている商品がお勧めです。ローズマリーやクマザサ、シソエキスなどが防腐剤として使われた商品も増えていますし、1回分使い切りで防腐剤を使ってない商品もあり、選択肢は増えています。
タール系色素・合成香料
赤色○号、青色○号、などの着色料がタール色素と呼ばれる成分です。ファンデーションや口紅など、多くのメイク用品に使われており83種類あります。旧厚生省が危険性を指摘していた「旧表示指定成分」であることからもその高い危険性がうかがえます。
タールは肌にシミを作ってしまうことが問題視されています。シミは紫外線との関連性が強く印象づけられています。確かに肌に紫外線を浴びるとメラニンが生成されますが、肌に残らなければシミにはなりません。しかしタールにはタンパク質を壊す性質があるため、表皮の細胞を壊してしまうことにより、壊れた細胞にメラニンが沈着します。これによりメラニンがシミとして肌に現れてきてしまうのです。
なにも意識せずそろえたコスメラインで朝の準備をしたとしましょう。
洗顔料の合成界面活性剤が皮膚のバリアゾーンを壊し、その部分から化粧品のタール系色素が入り込みます。このように毎日の何気ない行動で石油系化学成分は着実に体内に蓄積されていく可能性が高く、排出されにくいため、長い年月のなかでその危険性も高まっていくのです。
特に妊娠中の女性はお腹の赤ちゃんを守るためにも、有害化学物質を含んだ化粧品を避けることを意識する必要があるでしょう。
流行に乗って「オーガニック」や「ナチュラル」のイメージを付けた製品が増えてきていますが、その質についてはここで学んで事を活用して自分の目で選ぶ必要があります。
また、大量生産はせず製品が出来たら直接販売店に卸すスタイルで、危険な防腐剤の不使用を信条としているメーカーなど、本当に良い物を作ろうとしている企業もあります。HPなどの情報開示により、本当に知りたいと思う人にとっては、利益よりも使用者の安全性を優先しているメーカーの製品を選びやすくなっています。
消費者である私達が本物を選び、本物を作っている企業とともに進んでいけると良いですね。

