Lesson1-7 オーガニックライフを送る人たち①海外編

世の中にはもうすでに、オーガニックな生活を満喫している人たちが沢山います。その人達に共通していえる事は、人生を楽しんでいるということです。

そんな人たちは具体的にどのような暮らしをしているのでしょうか。
オーガニックライフの楽しみ方を垣間見てみましょう。

チャールズ皇太子

オーガニック農業の支援と国民と意識向上に多大な貢献

英国のチャールズ皇太子は自然保護や環境問題に関心が高く、1990年に自分のオーガニックブランドを立ち上げました。1980年代半ばには自身が所有していた領地をオーガニック農地に転換し、そこで収穫された作物をDuchy Originals(ダッチー オリジナルズ)というブランド名で販売しています。そこで得られた収益はチャールズ皇太子の慈善団体へ寄付され、オーガニック農業の支援と国民の意識向上に多大な貢献をしています。

2001年には「Duchy Originals Garden Organic for schools(学校でオーガニックを、ダッチー オーガニックガーデン)」というプロジェクトを立ち上げ、英国全土の学校にオーガニック農園を作り、子供たちに有機野菜の育て方を教えています。

国家の象徴である皇太子がオーガニックを推進する英国の未来には、明るい兆しが見えることでしょう。彼のように、利益を追求するだけではなく、人の生き方の為に活動することこそ、究極のオーガニックライフだと言えるでしょう。

 

ジェイミー・オリバー

オーガニック製品購入のきっかけをつくった英国シェフ

イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリバーも有名なオーガニック活動家です。彼はテレビ番組でオーガニック製品を使い、視聴者がオーガニック商品を購入するきっかけを作りました。彼はまた、ロンドンの学校給食の改革も実行しています。彼が奮闘する姿は2005年に全英でドキュメンタリー番組として放送されました。

全英に衝撃を与えたドキュメンタリー

子供達が野菜の名前を知らないという事実にジェイミーは驚きました。

子供達は、カリスマシェフが調理した、栄養バランスのいい料理を口にして、「まずい!」と吐き出してしまいます。当時の給食は野菜が使われることがほとんど無く、ファーストフード店のメニューでした。そんな酷い内容の給食を与えられていた子供達の味覚を想像すると、ゾッとしますね。

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このドキュメンタリーは全英に衝撃を与え、放送後にはウェブサイト上で給食改善を求める署名運動が立ち上がりました。これには27万1677件もの署名が集まり、給食改善のための予算の増額を政府に約束させることに成功しました。

料理を作ることの楽しみを広める活動も

彼はまた、「料理ができない」と思い込んでいる人々の為に、「少しの情報とやる気を持てば、おいしいものが簡単に作れる」という事を伝え、その輪をイギリス全土に広げていきます。

2010年には米国でも彼の番組が放送され、エミー賞の最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しています。

まずいと有名だったイギリス料理が、今や過去のことになりつつありますが、ジェイミーの功績が大きくかかわっているとも考えられます。

日本の給食は、管理栄養士が作った献立を元に調理されているので、諸外国と比較すると、安全・安心だと言われています。しかし、子供にとっては給食よりも家庭での毎日の食事が最も重要です。人間の味覚は、子供の時に食べた物で決まるとも言われているのです。
私たちは、子供に与える食事には大きな責任を持たなければなりません。

 

スティング

オーガニックなミュージシャン

オーガニックライフといえばこの人、というくらい有名なのがイギリスのミュージシャン、スティング氏です。

Commander Of the British Empire(上級勲爵士)という名誉称号(ナイト爵のひとつ下)をエリザベス女王から授与されているほどの慈善活動家であり、彼は熱帯雨林保護活動・人権保護活動家としての一面を持ち、アマゾンダム建設で消えてしまいそうな原住民の土地と文化を守る為の活動にも関わっています。

レイクハウスでの自給自足の生活

彼は奥さんと一緒にイギリスの「レイクハウス」と呼ばれるお城に住んでいます。敷地内では野菜や果物を育て、豚やアヒルを飼育しほぼ自給自足のオーガニックな生活を送っており、1999年には『Cooking from Lake House Organic Farm(レイクハウス オーガニックファームの料理)』という、レシピ本も出版しています。

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1997年には、イタリアのトスカーナにオーガニック野菜のお店をオープン。併設されているオーガニックファームで収穫された有機野菜や、オリーブ油やワイン、はちみつなどを販売しています。

このような暮らしを夢見る人は多いと思いますが、それを現実にしているのがスティングです。自給自足はハードルが高いといえますが、出来る範囲でオーガニックを実践することは、そんなに難しいことではありません。