前セクションでは、世界のオーガニック活動家を紹介しました。
それでは日本にはどのような人物がオーガニックに深く関わっているのでしょうか。
詳しく見てみましょう。
三好基晴
医学博士・臨床環境医でもある三好基晴(みよしもとはる)氏は「薬を処方しないお医者さん」です。ホスメック・クリニックの院長を務め、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性疾患、化学物質・電磁波過敏症、そして、癌や糖尿病などの生活習慣病に対して、生活環境の改善診療を行っています。
薬を処方しない、その理由とは?
薬は一時的に症状を緩和するけれど、根本的な治癒にはならないという考えを持ち、一切薬を出しません。また、体に負担が大きいレントゲン検査なども行いません。
その代わり患者の生活習慣を聞き、患者の住む家にまで実際に足を運び、症状の原因を探り、症状の改善指導を行っています。患者のアレルギー症状の原因が身の回り品であったと突き止めた時、それらを開発するメーカーや小売店などに問合せ回答を求めるなど、患者の立場に立って動く医師だと評価されています。
化学物質や添加物を使用しないドクターシェフ
彼の逸話の中には、化学物質過敏症の患者が食べられる発酵食品を探したが見つからなかったために、ある蔵元に天然菌の発酵食品を作らせてしまったという話もあります。医学博士として添加物、化学物質の恐ろしさを良く知っている三好氏は、自身でオーガニックの味噌や醤油、パンやチョコレートまで手作りするそうです。料理教室も開催する程の腕前で「ドクターシェフ」との異名を持つ、オーガニックな医師なのです。
三好氏は『買ってはいけない』の著者としても有名ですが、彼の著書は現代において知っておくべき知識を学べるものが多く、オーガニックな毎日を過ごすための参考図書として大いに活用できます。
杉田かおる
女優の杉田かおるといえば、マスコミの影響でスキャンダルなイメージがあるかと思いますが、今やオーガニックに目覚め穏やかな日々を送られています。
農業に触れて感じたオーガニックの癒やしの力
自分で野菜を育てたいと畑を探していた時に、福岡県糸島市で自然農業体験ができる「松国自然農学びの場」に出会い、そこで自然農のプロから学びながら農作業を始めました。肥料・農薬を使わず草や虫と共存する、という考え方の農業を行うことで自然に触れ、自身が癒されたといいます。
『杉田かおるのオーガニックライフ』という著書も出版されています。「オーガニックな生活で肌がスベスベになり、自然にダイエットができ、心が穏やかになった。良いこと尽くしのライフスタイルが、自然や地球に負担をかけないなんて一石二鳥です」と杉田さんは語っています。彼女のオーガニックライフはブログでも発信されています。
忙しいからこそ必要とされているオーガニックなライフスタイル
苦しいこと、辛いことを体験した時、「自然に癒された」という経験がある人は多いのではないでしょうか。山は疲弊した人間の精神を癒し、海はエネルギーを与えてくれると言います。都会で忙しい生活を送っていると、大切なものを見失ってしまう可能性があります。
体が資本の芸能関係者では、オーガニックに関心が高い人がとても多いのです。忙しい人でも実践できるライフスタイルと聞くと、自分でも実践できそうという気持ちになってきますね。実際に、ちょっとした心がけで誰でもオーガニックライフを実践することができます。
カフェスロー 代表 吉岡淳
自然とつながるカフェ
東京都の国分寺市にあるカフェスローは2001年に生まれた、藁と土、自然素材で内装された温かみのあるカフェです。
「スロー」とは「つながり」を意味していて、つながる事が心地よい暮らしを送る事だと提案しています。お店の窓からは林が見え、鳥のさえずりが聞こえ、のんびり、ゆったり過ごせる貴重な環境を提供されています。
キャンドルナイトの取り組み
カフェスローの金曜日の夜は店内の電気を消し、蜜蝋ろうそくの灯りで営業する「暗闇カフェ」となります。
このアイデアは、2003年に始まる「100万人のキャンドルナイト」というムーブメントへ繋がりました。100万人のキャンドルナイトとは、夏至・冬至、夜8時から10時の2時間、みんなで一斉に電気を消すというアクションです。電気を消すという簡単なアクションで、いつもとは少し違う過ごし方を提案しています。
家族とのつながりを考えるきっかけになったり、省エネについて思いを馳せる時間になったり、疲れた体を癒すために静かに過ごす時間に使ったり。過ごし方は千差万別。自然に生きることは、とてもオーガニックな生き方です。
様々なオーガニックライフ、どのように感じましたか?
世界にはそれぞれのやり方で、オーガニックな生活を楽しむ方が沢山います。有名だからこそ出来るような慈善活動もありますが、オーガニックな生活には様々な形があり、一人一人の考え方次第でそれを選択できます。
大切なのは、自分自身でいられること。自分が楽しいと思うこと。あなたが好きな分野、興味のある事で、オーガニックを取り入れて気軽に始めてみましょう。

